2020年06月09日

2020年春のコロナ禍とオンライン授業とリアル授業(メモ)。

日ごろの更新は毎日ツイッタージュニカレツイッターでやっております。
Twitterの過去ログはこちら

前回の更新は3月末。すこし思い返してみます。
3月1日からほとんどの学校が休校になりました。中3受験生以外は春休みが前倒しになったことと同じでしたが、中3受験生にとっては「公立高校入試(3/4)の直前に学校がお休みになり、最後の最後で生活のペースが崩されてしまった・・・」ことでしょう。それでも受験生たちはうまく受験を乗り越えてくれました。

高校受験、大学受験の結果が出て(次の記事で紹介)、4月1日から新生活!と思ったのですが、2週間程度の休校要請があり、その終盤に全国に発令された緊急事態宣言により休校は継続され、ジュニカレも発令後の4月20日(月)の授業からZOOMでのオンライン授業に変更しました。

GW期間中は例年通りにGW休暇をいただき、昨12月からの受験シーズン~受験~進路決定~新年度準備~新年度開始までの気持ちをリフレッシュできました。

GWを明けてからも当初は「5月31日まで緊急事態宣言は継続」とのことでしたが、全国的な自粛の効果もあって早めに解除されることとなり、5月25日(月)から学校が再開されました。とはいうものの、1時間程度の登校、午前だけ登校と徐々に復帰されていました。授業時間が10分程度短くなっているようですが、通常日課で再開されたのは6月1日(月)でした。この授業時間短縮は7月末まで継続される(?)ようです。また、ジュニカレのオンライン授業は6月3日(水)の中2クラスの授業まで行われることとなりました。

1か月半近くに及ぶオンライン授業は、開始した当初から好感触でした。理由は、
①リアル授業で既に信頼関係があり、オンライン授業の際も普段通りに接することができた。もし、知らない人と「はじめまして」の状況から開始した場合は、習熟・性格が把握できずに困難があったはずです。

②生徒の意欲に救われました。休校期間が3か月、それも当初は「いつまで続くのか不明」という暗雲のなか始まったのですが、生徒たちの学習意欲は普段よりも良好でした。これは休校期間中ずっと継続して不安を抱えていたのですが、うまく乗り越えてくれたと思います。小さな関与かと思いますが、ジュニカレでは普段よりも機会を設けるように心がけていました。(本来は)登校時間中である午前8時半から夕方5時ころまでは、いつでもオンライン上で質問に応えられる準備をしておりました。また、この機会に各学年にジュニカレLINEグループを作り、課題の送付、質問の受付と回答、事務連絡などと共有できるようにしました。当初は「これまで通りメールでやればいい。生徒とLINEをするのはイヤだ」と抵抗感もあったのですが、いまでは「こんなに機能するなんて・・・」と手放せないツールです。

③オンライン授業を行うソフト(ZOOMを採用)が優秀だった。ジュニカレの授業は、1対多数の形式だけではなく、統制のあるなかでの自由な発言や会話(教えあい)が特徴だと思います。この特徴を活かし、補完する機能として有効だったと思う順に書くと、
 1.遅延・通話品質にはほとんど悩まされなかった。きっとこれからさらに改善されるでしょうから、たまにあった遅延などは我慢できます。
 2.これはソフトではないですが、書画カメラが優秀だった。ジュニカレのオンライン授業では、カメラが2つあり、1つはこちらの上半身が写るもの、もう1つはこちらの手元を真上から撮っているものです。ホワイトボードなどに板書しているものを写すよりも、手書きノート(タッチペンとパッドも試しましたが、紙とペンとカメラが優位でした)を写すほうが、筆跡の生々しさと見やすさ(生徒の端末にこちらの手元だけが大きくはっきり写る)の2点で勝りました。
 3.ZOOMでは画面の切り替えが容易で、見せたい(共有したい)画面を簡単に見せられる。生徒全員に話しかけるときは上半身のカメラで、数式や図を描きながら解説するときは手元だけのカメラで、PC内の数式ソフト、グラフソフトを見せたいときはそれらを適宜共有(生徒の端末に写す)、生徒に描かせたいときは「ホワイトボード」という機能を用いて、あたかも1枚の紙に、皆で自由に書き込みながら作業する(具体的にはグラフの概形を描画してもらう。アイデアを図で紹介してもらう。)というように、ZOOM上で4つの画面をうまく切り替えて授業を行いました。
 4.これらをさらに補完するツールとして、ZOOMのチャット機能とLINEも活用しました。たとえば問題へのタイムトライアルとして、皆で一斉に解き、解けた時間を測るという際には、スマホのストップウォッチを書画カメラで共有し、解けたらマイク越しの発声やチャットで解けたことを確認し、オンライン越しでも競争している感覚を体験できました。在宅学習では競争することが難しいので、たまのレクレーションとしても機能しました。また、授業のはじめに質問を回収する際、チャット機能を用いて回収すれば時間短縮と明瞭さの点で有効でした。
 5.オンライン上(ZOOM上)でも別室(別の教室、別のミーティングテーブル)がある。ジュニカレのリアル授業の際でも、習熟に差が出たとき、または生徒の良いアイデアがあったとき、個別(~数名)だけに解説をしたいとき、主の部屋と別の部屋があるというのは便利でした。具体的な活用例は60分のテストをオンライン上で行っているとき、手が詰まってしまった生徒がいた場合、この生徒だけを別室に呼び出して(実際にはチャットで「これから*番の問題のヒントを出し、解説します。手詰まりの生徒がいたら別室に来てね。」のように送っておきます)数名に解説を行い、「なるほど分かった!」となれば、その都度元の部屋に戻ってテストを継続します。この利点は元の部屋で解説をすると全員に解説をしてしまうことになり、気が散る生徒もいるはず。別室で解説をすれば見聞きすることができませんから、集中は保たれ、どの生徒にも有益な時間を過ごすことができます。

④定時に始めることができる。例えば、9時開始の授業ですと、8時50分にLINEで参加者にIDとパスを送り、9時ちょうどに開始できました。休校期間は時間が自由に使えすぎることから、(時間には大らかな自分でしたが)定刻にきっちり始まるということも生活のリズムを整えるために必要だ・・と思って努めました。。1か月半のオンライン授業では定刻に始めることが出来たと思えます。

⑤ほかの学年の授業に参加できる。意欲的かつ習熟の良い生徒には上級生のクラスへの参加を提案していました。ジュニカレでは日ごろから同学年だけにとどまらない交流を期待していますが、オンライン上だとさらに容易に行えると思いました。

以上①②③④⑤の理由から、オンライン授業の利点を記憶をさかのぼって書いてみました。またいつか行われるかもしれないオンライン授業の参考にしよう。

しかし、しかし、しかし、5月末に休校期間を終えて学校が再開される頃、「ジュニカレはオンラインで良いのか?」「ジュニカレのリアル授業の価値は?」と自問する日が続きました。


そして、そして、そして6月4日(木)の夕方に1か月半ぶりに再開する高3生徒たちのリアル授業を迎えるのです。生徒が集まる2時間前からジュニカレに赴き、心鎮めるために部屋の掃き掃除と拭き掃除を行い、日中の気温が暑い中やってくる生徒のためエアコンを効かせて、念のための換気も行いながら待っていました。少しの不安もあったかと思います。

16時の授業開始早々、ふとしたことで「うん、オンライン授業いいと思っていたけれど、リアル授業のほうがずいぶん良いんだな。ひと月以上オンラインやっていると、それに慣れてきたこともあって、利点ばかり目が向いていたけれど、ちがった。目の前に生徒がいると10秒もあれば気付くし、見逃さずに指摘して改善できる。」こんな発声をすることになっていました。

授業を終えたころには、「(リアル授業再開への)不安もあったが杞憂だった。ジュニカレはここに集まることにも価値があるんだな。」と皆に告げ、受験勉強の継続を誓ったのでした。

これに付随して、今年東北大に進学した生徒君が言っていたコトバが思い返られました。「先生は見てないようで見てる。俺が変なことしてる(数学の問題を解くにあたっての見通しのよくない操作)と、すぐ気づいて言ってくる。上からさーーって眺めただけなのに。」と。回想なので完全には正確ではないですが、彼の普段の口ぶりを思い返すと、うまく復元できていると思う。

オンライン授業をさらに機能させるために期待することは
①通信環境の向上(5Gが普及すれば解消する・・・はず)
②生徒の手元を写す書画カメラの普及(スマホ台を作れば売れると思うんだけどな!段ボールや本でも作れそうだが、剛性を考えるとやっぱり金属か強めのプラスチック。・・・ここまで書いてググったら既に商品がいくつかあった、ジュニカレの生徒の皆さん、ぜひ。)
③ZOOMは大人数で参加可能だが、瞬間瞬間では1人しか発言できない。これが数名でも発言できるようになるとリアル感が増すはず(5Gと、混線状態をクリアにする策と、各ボリュームを整合する策などが要ると思う。エンジニアさんに期待してます!)

まとめ

というわけで、オンラインの利点も多数感じられたが、リアル授業に軍配が上がる。これからのジュニカレでは、普段はリアル授業。天候不順や長期休暇の補講、日ごろの質問応答はオンライン授業を活用していきたい。

コロナは禍でしかなかったが、生活や学び方を考え直す契機になりました。将来ある生徒のために、ジュニカレができることを考えていきます。ジュニカレほんだ


同じカテゴリー(塾の日常)の記事画像
2020年の阪大合格体験記・ジュニカレ体験記(2020.3.9)
2020年の静高合格体験記
3月はジュニカレOBOGとの交流
2016年春、進路とジュニカレ体験記。
2016年1月中学校入試:全員合格体験記
いよいよ明日で12月に
同じカテゴリー(塾の日常)の記事
 2020年の阪大合格体験記・ジュニカレ体験記(2020.3.9) (2020-09-29 12:47)
 2020年の静高合格体験記 (2020-06-23 16:21)
 3月はジュニカレOBOGとの交流 (2020-03-29 23:11)
 2020年春、ご家族の声(現中学生) (2020-03-16 09:15)
 2016年春、進路とジュニカレ体験記。 (2016-07-19 13:36)
 合格速報 (2016-03-18 11:04)

Posted by juniorcollege at 10:40│Comments(0)塾の日常
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。

削除
2020年春のコロナ禍とオンライン授業とリアル授業(メモ)。
    コメント(0)